応募資格:
英語力: TOEIC 900 以上のレベル
日本語力: 日本語能力試験1級のレベル
毎月参加することも可。
Translate the Japanese passages below into English and send your translation to JETS
Deadline: the end of April 25, 2008 (Japan Time)
Prize: The winner will be registered as a freelance translator of JETS.
Notes:
Put your translation into a MicroSoft Word file with your contact info and brief profile, and title the file "Contest_Apr_2008_Your Full Name."
As you may know, most of translation tasks are urgent; if it takes you more than one day to translate the Japanese texts below, refrain from entering this contest.
この間、三十分余りの慌しい動きを見ていた国見は、整備士たちと話してみたくなった。
運航部長が、空港ビルと並ぶ整備工場の運航整備控室へ、国見たちを案内した。
ライン整備に携わる十人ほどが、待機していた。ビニール張りの素朴な長椅子とパイプ椅子、机があるだけの殺風景な部屋で、休憩をとっている。
突然、入って来た国見会長の姿に、整備士たちは驚いて、たち上った。
「元日早々、寒い中をご苦労様でした、今のライン整備を見学していましたが、この整備で一番、苦労することは、どんなことですか?」
と聞くと、若い整備士の一人が、「やはり、限られた時間と人数で、いかに安全を確保するかということです。最近は便数が増え、ステイがさらに短くなっていますが、クルーから、工合の悪いところの申し送りがあれば、短い時間の中でも、的確に判断して整備しなければなりません」
「では現状は、時間も人も足りないということですか」
国見が聞くと、後ろにいる社長、副社長を意識したらしく、黙り込んだ。
「じゃあ、先ほどの点検の結果はどうだったのですか」
若い整備士は硬い表情になったが、作業台車に乗って扉の点検をしていた、班長格の整備士が発言した。
「あの扉にはラッチのボルトに緩みがあり、その点について修理は完了しました、ただ、クルーから報告を受けていた振動音の原因は、摑めませんでした、事実上のキャリー・オーバー(整備持ち越し)です」
「君ぃ」運航部長が、険しい語調で制し、他の整備士も懸念する気配であったが、班長格の整備士は、そのまま続けた。
「キャリー・オーバーは、今回に限りません、以前にはタイヤが磨耗して、当然、交換しなければならないのを、一本の交換につき二十分はかかるので、キャリー・オーバーで飛ばしたこともありました、このように、人と時間が足らず、キャリー・オーバーが増えています。経営合理化のため、ここ数年、新規採用が途絶え、私たちの技術を伝えられないばかりか、整備のやり方が安易になっていることが不安です、不安を持ちながら仕事をすることは辛いことです、なにしろ人の命に関わる仕事ですから−」
これまでの不安と憤りを吐き出すように云った。
「今までこうした整備の現状を、直接、上司に訴えたことがありますか」
「団交の場でいつも云っていますが、一向に改善されません」
国見にとっては、信じられぬことであった。振り向くと、海野と三成が、困惑するように、顔を見合わせていた。
山崎豊子(1999)、沈まぬ太陽(四)、pp.74-75